【東工大2019】空間を平面で分けるときの分割数【数学】

お久しぶりです、そのはです。

今日明日と国公立大学入試の本番ですね!

試験を受けた方は実力を発揮できたことを願っています。

高1高2の皆さんはこれを機に受験勉強を意識してみてもいいでしょう。

 

さて、Twitterを覗いていると今年の東工大の問題が流れてきました。

ちょっと気になった問題があったので考えてみたいと思います。

 

問題

[math]\fbox{4}[/math]

[math]H_1, …, H_n[/math]を空間内の相異なる[math]n[/math]枚の平面とする。[math]H_1, …., H_n[/math]によって空間が[math]T(H_1, …, H_n)[/math]個の空間領域に分割されるとする。例えば、空間の座標を[math](x,y,z)[/math]とするとき、

●平面[math]x=0[/math]を[math]H_1[/math]、平面[math]y=0[/math]を[math]H_2[/math]、平面[math]z=0[/math]を[math]H_3[/math]とすると[math]T(H_1, H_2, H_3)=8[/math]、

●平面[math]x=0[/math]を[math]H_1[/math]、平面[math]y=0[/math]を[math]H_2[/math]、平面[math]x+y=1[/math]を[math]H_3[/math]とすると[math]T(H_1, H_2, H_3)=7[/math]、

(中略)

(1)
各[math]n[/math]に対して[math]T(H_1, …, H_n)[/math]のとりうる値のうち最も大きいものを求めよ。

(2)
各[math]n[/math]に対して[math]T(H_1, …, H_n)[/math]のとりうる値のうち2番目に大きいものを求めよ。ただし[math]n≧2[/math]とする。

(3)
各[math]n[/math]に対して[math]T(H_1, …, H_n)[/math]のとりうる値のうち3番目に大きいものを求めよ。ただし[math]n≧3[/math]とする。

 

(1)はよくある問題なので稼ぎどころ

漸化式と平面の融合問題の代表である「平面を直線で分割」の考え方を空間へ拡張したのが(1)です。

(誘導なしで解けるかは別としても、)この問題は比較的簡単なので解いておきたいところですね!

平面を直線で分割する方法を思い出す

まずは、互いに平行でない[math]n[/math]本の直線がどの3本も交点を共有しない条件下で、それらの直線が平面を分割する方法を思い出しましょう。

すでに[math](n-1)[/math]本の直線が引かれているところへ直線を1本引くと、交点が新たに[math](n-1)[/math]個生まれます。

これによって新たに引いた直線は[math]n[/math]個に線分に分割されます。

この[math]n[/math]個に線分によって平面は分割されます。

直線を[math]n[/math]本引いたときに平面が[math]S_n[/math]個に分割されるとすると、

●[math]n=0[/math]のとき、[math]S_0=1[/math] …①

●[math]n≧1[/math]のとき、[math]S_n=S_{n-1}+n[/math] …②

①,②より[math]S_n[/math]の一般項は、

[math]S_n=\frac{1}{2}(n^2+n+2)[/math]

これを空間に拡張する!

さて、互いに平行でなく共点を持たない[math]n[/math]枚の平面は、空間をどのように分けるでしょうか。

かなり空間把握能力を要求されますが、想像してみましょう。

すでに[math](n-1)[/math]枚の平面があるところへ平面を1枚足すと、“新たに足した平面”が”その平面上の直線”によって分割される数だけ、空間の分割数が増えます。

これはちょうど上で考えた[math]S_{n-1}[/math]にあたります。

これを漸化式に直すと、

●[math]n=0[/math]のとき、[math]T_0=1[/math] …③

●[math]n≧1[/math]のとき、[math]T_n=T_{n-1}+S_{n-1}[/math] …④

③,④より[math]T_n[/math]の一般項は、

[math]T_n=\frac{1}{6}(n^3+5n+6)[/math]

これが(1)の答えになります!

 

[math]T_n[/math]が減る⇔[math]S_n[/math]が減る

(2),(3)がクセモノです。

問題が挙げてくれている例を参考に、同一の[math]n[/math]に対して[math]T_n[/math]が変化する理由を考えてみます。

一つ目の例と二つ目の例の違いは、平面上にできる直線が交差しているか否かですから、私は[math]S_n[/math]に着目しました。

[math]n[/math]枚目の平面上にできる[math](n-1)[/math]本の直線のうち一組が平行だとすると、[math]n[/math]枚目の平面は[math](S_{n-1}-1)[/math]個に分割されます。

[math]n[/math]枚目の平面上にできる[math](n-1)[/math]本の直線のうちの3本が共点を持つとすると、[math]n[/math]枚目の平面は[math](S_{n-1}-1)[/math]個に分割されます。

このいずれかの場合であれば(2)の題意を満たすとして式を立てると、

●[math]n=2[/math]のとき、[math]T_2^{(\rm 2nd)}=T_2^{(\rm max)}-1=3[/math] …⑤

●[math]n≧3[/math]のとき、[math]T_n^{(\rm 2nd)}=T_{n-1}^{(\rm max)}+(S_{n-1}-1)[/math] …⑥

ただし(1)で求めた[math]T_n[/math]を[math]T_n^{(\rm max)}[/math]、(2)で求める[math]T_n[/math]を[math]T_n^{(\rm 2nd)}[/math]としました。

⑥より[math]T_n^{(\rm 2nd)}[/math]の一般項は、

[math]T_n^{(\rm 2nd)}=\frac{1}{6}(n^3+5n)[/math]

これは⑤も包含しているので、(2)の答えかと思われます!

 

(3)についても同様の議論を経て、

[math]n≧3[/math]のとき、[math]T_n^{(\rm 3rd)}=T_{n-1}^{(\rm 2nd)}+(S_{n-1}-1)[/math]

[math]⇔[/math][math]T_n^{(\rm 3rd)}=\frac{1}{6}(n^3+5n-6)[/math]

を得ましたが、果たしていかがでしょうか!

 

【追記】(3)は例外処理があるんだってな!

YouTubeのほうで環耀さんによる詳しい解説が出ましたね!

(3)は[math]n=4[/math]のときのみ、上手く平面上にできる直線の交差を減らせないようですね。

こればかりは具体的に考えるしかありません。

[math]n=4[/math]のとき、[math]T_4^{(\rm 3rd)}=\frac{1}{6}(n^3+5n-12)=12[/math]

試験時間内にここまで掘り下げられるはずもないので、いよいよ得点させる気がないですね東工大は…(笑)

 

まとめ

今回は、今年度の東工大数学から漸化式の応用問題をピックアップして解いてみました。

速報が来るまでは確証はできませんが、参考になれば幸いです。

内容としては、教科書の章末レベルの問題((1)の問題)をしっかり解ける、さらにそこから考え方を拡張できる((2),(3)の問題)という力ご求められているように感じました。

特に空間把握能力は一朝一夕で手に入るスキルではないので、来年度以降に受験を控える皆さんもトレーニングしておくことをオススメします!

実際に試験を受けた方々も、何かありましたらコメントをお願いします!

それでは。